アメリカがベネズエラ大統領を拘束―トランプ大統領の狙いは

国際

【重要度:★★★★☆…歴史的に見ても極めて大きな事件。遠い国の話ではあるが、この出来事をきっかけに「力による解決」が世界で認められてしまうのか、それともルールが守られるのか、注目が集まる】

トランプ氏「ベネズエラへの攻撃成功」、マドゥロ大統領を拘束…政権転覆へ国外追放
【読売新聞】 【ワシントン=池田慶太】米国のトランプ政権は3日未明、南米ベネズエラの首都カラカスなどを地上攻撃した。複数の軍事施設などが破壊された模様だ。トランプ大統領は自身のSNSでベネズエラへの大規模攻撃が成功したと発表し、同国

1月3日、アメリカがベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領夫妻を拘束
ニューヨークへ連行するという驚きのニュースが入ってきました。
現在はアメリカの拘置所に収容され、現地の法律で裁判にかけられようとしています。

一国のリーダーが他国の攻撃によって連れ去られ、その国の法律で裁かれるのは現代では極めて異例のことです。

テレビやSNSで流れてくるこの衝撃的なニュースで、いったい今何が起きているのかを整理してみます。

何が起きた?1月3日の「電撃作戦」

事態が大きく動いたのは1月3日の未明でした。

アメリカ軍の特殊部隊がベネズエラの首都カラカスを攻撃し、マドゥロ大統領と妻の身柄を拘束。そのままアメリカへと連行したのです。
カラカスでは何度も爆発があったといい、ベネズエラは「侵略だ」として強く非難しています。

一方でアメリカはこれを「戦争」ではなく「麻薬捜査による逮捕」という形で実行しています。
アメリカ側は「マドゥロ氏は一国の大統領ではなく、アメリカに大量の麻薬を流し込んでいる犯罪組織のボスである」と主張しているのです。

本来、国の元首は他国のルールで裁けないというルールがありますが、アメリカ政権は前回のベネズエラ大統領選挙に不正があったとして、マドゥロ氏を大統領として認めていません

つまり「国を攻めた」のではなく、「指名手配犯を捕まえただけ」という理屈なんです。

現在、マドゥロ氏はニューヨークの拘置所に収容され、現地の裁判所で無実を訴えています。

なぜアメリカはそこまで強硬な手段に出た?

アメリカを襲う「麻薬と難民」の問題

トランプ政権が今回、表向きに強調しているのが「違法薬物対策」という理由です。

ベネズエラでは経済が崩壊し、治安が悪化した結果、マドゥロ政権が関与しているとされる薬物がアメリカ国内に流れ込んでいました。
さらにベネズエラから逃げ出した大量の難民も大きな社会問題となっていました。

トランプ氏はこれを「アメリカへの目に見えない攻撃」とみなし、その元凶を断つために今回の行動に至ったとしています。

「世界一の石油」をめぐる思惑

ベネズエラは、実はサウジアラビアをもしのぐ「世界最大の石油埋蔵量」を持つ国です。
かつては南米一豊かな国でしたが、マドゥロ大統領の前の政権が石油会社を国有化したところ、経営に失敗。
今では設備がボロボロになって宝の持ち腐れ状態でした。

アメリカには、マドゥロ氏を排除して石油インフラをアメリカ企業などの手で再建し、世界のエネルギー市場での主導権を握りなおしたいという狙いも見られます。

「西半球」支配へ、他国への強いメッセージ

北米、中米、南米が含まれる「西半球」を再びアメリカの「裏庭」のようにし、影響力を強めたい狙いもあると見られます。

トランプ大統領は1823年にアメリカ第5代大統領のモンローが発表した、西半球にヨーロッパが進出しないよう、お互いに干渉しないなどとした「モンロー主義」が根底にあるとしています。

特にベネズエラを支援してきた中国などに対して、アメリカがこの地域(西半球)で圧倒的な力を持っていることを改めて誇示した形です。

今後はどうなる?注目ポイント

ニューヨークで開かれる異例の裁判

マドゥロ氏は現在、アメリカの拘置所にいるとされています。
5日にニューヨークの連邦地裁に出廷し、国際的な麻薬密輸などについて「私は無実で有罪ではない」と主張しています。

そもそも一国のリーダーが他国の法律で裁かれるのは異例。
「国際法」という世界共通のルールに違反しているのではないかとさまざまな国が声をあげています。

大統領のいないベネズエラは

攻撃を行ったアメリカのトランプ大統領は「安全で賢明な政権移行が実現するまでアメリカが(ベネズエラを)運営する」と表明しています。
さらにアメリカが世界最大の埋蔵量を誇るベネズエラの石油インフラを修復することにも意欲を見せています。

ベネズエラは副大統領が暫定大統領に就任しましたが、混乱は続いています。

一方でマドゥロ氏は2013年の大統領就任以降、原油の価格下落で経済危機に陥ると、政治的な弾圧なども行う独裁政治を行いました。
前回の大統領選挙での不正疑惑も晴らしていません

アメリカの強引な手口ではありますが、ベネズエラ国民もマドゥロ氏の拘束に喜びの声も出ているという報道もされています。

今後、ベネズエラが民主的な国家に移行していくのかにも注目が集まります。

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