【重要度★★★★☆:国の最高指導者が殺害されるなど、世界中に大きな影響を与える戦闘になっている。原油の輸送に重要な役割を果たすホルムズ海峡も事実上封鎖され、エネルギーのほとんどを中東からの輸入に頼る日本でもガソリン代などに直撃。その動向に注目が集まっている】
米・イスラエルがイラン攻撃、首都空爆 トランプ氏「核兵器取得阻止」 – 日本経済新聞
6月から始まる北中米ワールドカップで、イラン代表がアメリカ以外で開催するように求めるなど、イランとアメリカの関係は極めて深刻な状況に置かれています。
スポーツの祭典にまで影を落とすこの対立。
その決定的な引き金となったのは2月28日のことでした。
いったいなぜこのような関係になっており、今どのような状況なのか分かりやすくまとめます。
これまでの経緯
2/28:軍事作戦の開始
アメリカとイスラエルがイラン本土への大規模空爆を開始。
これにより、イランの最高指導者を1989年から約37年間務めていたハメネイ師が殺害されました。
3/2:イランがホルムズ海峡を「封鎖されている」と警告
攻撃を受けたイラン側は2日の国営テレビの番組でホルムズ海峡を「封鎖されている。通行しようとする船舶は攻撃される」と警告しました。
ホルムズ海峡はエネルギー輸送において重要な場所で、原油輸入の9割以上を中東に頼る日本はもちろん、世界中に大きな影響を与えます。

3/9:ハメネイ師の後継者に次男のモジタバ師
イランは殺害された最高指導者のハメネイ師の後継者に次男のモジタバ師を選出したと発表しました。
モジタバ師は父親の反アメリカ路線を引き継ぐ考えで、アメリカのトランプ大統領は「気に入らない」と反対を表明しました。
3/31:アメリカが2~3週間で撤退の方針を発表
アメリカはイランでの軍事作戦を「2~3週間以内」に終了させる方針を示しました。
トランプ大統領は「イランが核兵器を持てないようにするという唯一の目標は達成された」と作戦の成功をアピールしており、撤退前にイランのインフラへの爆撃を強化することも示唆しました。
イラン側は中東地域にあるアップルやグーグル、マイクロソフトなど18企業をイランへの攻撃に加わっているとして「標的にする」と宣言しました。
なぜアメリカはイランへ攻撃したのか
最大の理由はイランの核開発とされています。
トランプ大統領はイランが核計画を放棄する機会を拒んで、ヨーロッパやアメリカを脅かす長距離ミサイルの開発を進めていると主張しました。
これまでにもアメリカは経済制裁や外交を通してイランの核開発を制限しようとしてきましたが、双方の主張は大きく対立しています。
今後どうなるか
トランプ大統領は3月31日時点で2~3週間で撤退する方針を示しています。
その前にイランへの爆撃を激化させることも示唆しており、イランの新指導部を屈服させようとしていると見られています。
しかし、イランもホルムズ海峡の利用料を徴収し、イランに制裁を科している国の船舶の通行を禁止する制度を検討するなど、今後数週間の動向が注目されます。
石油のほとんどを中東から輸入している日本もこの問題と無関係ではありません。
ホルムズ海峡が事実上封鎖されている現在の状況では、日本に石油が入ってきません。
世界的に原油価格が高騰し、日本でもレギュラーガソリン1リットルあたりの全国平均小売価格が過去最高の190円80銭を記録しました。
経済産業省は3月下旬から合計45日分の石油備蓄を放出し、安定的な供給を図っています。


コメント