ニュースは毎日流れてくるけど、「それって本当に重要か？」と感じることありませんか？
でもそれも仕方ありません。テレビや新聞はある意味「決められた枠を埋めなければならない」から。「報道は多いけど、実際はそこまで重要ではないニュース」もあれば、「あまり扱われなかったけど、実はすごい大きなニュース」もあります。
ここでは相対的な評価ではなく、絶対評価でニュースを５段階でランク付け。
今月起こったニュースを重要度別にまとめてお届けします。
重要度★★★★★
年金制度改革法案が閣議決定(5/16)、衆議院を通過(5/30)
５年に一度の年金制度の見直しが行われ、「106万円の壁」撤廃や、遺族年金の受給条件見直し、基礎年金の引上げなどを盛り込んだ法案が16日に閣議決定され、30日に衆議院を通過しました。
今後は参議院での審議を経て、今国会中に成立する見通しです。
今回の変更のポイントは、「主婦・パートは扶養に入っておけばなんとなく守られる」という構造を、国が根本から見直し始めたということ。
- パートでも一定時間働いていれば自分で社会保険料を払う対象に
- 遺族年金の支給期間が「生涯」から「5年限定」となり、万が一の際も自分で守る必要がでてくる制度に
加えて厚生年金の積立金を原資に、基礎年金の底上げも盛り込まれました。
今後、保険料を支払う現役世代が少なくなっていくことなどから、基礎年金の受給額が減っていくことを見据え、より多くの人へ年金が行きわたるような変更。
ただ、厚生年金を積み立ててきた人からすれば納得しがたい変更で、苦しい年金制度の現状が見え隠れしています。
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重要度★★★★☆
「米買ったことない」発言で大臣辞任(5/21)→備蓄米緊急放出
江藤農水相が「米を買ったことがない」と発言し、消費者感覚のなさを問われて21日に辞任。後任に小泉進次郎氏が就任しました。
米の価格が急激に上がっており、政府には素早い対応が求められる中で、国民に一番寄り添うべき農水相の不用意な発言に批判が集まりました。
後任の小泉氏は就任早々、それまで予定されていた備蓄米の入札を中止。代わりに随意契約で備蓄米を広く流通させる方針に転換しました。
6月に入り、古古米が5キロ2000円台で店頭販売され、店舗前には長い行列ができるなど、物価高に対する国民の苦しさが浮き彫りになっています。
重要度★★★☆☆
日銀、金利据え置き(5/1)
日銀は1日、政策金利を「0.5％に据え置く」と決定しました。
物価上昇が続く中で、利上げが見送りとなり、日米の金利差は依然として大きなままとなりました。
日本はエネルギーや食糧を多く輸入しており、為替の動きが生活コストに直結します。今回の据え置きの判断は物価上昇が続く一因にもなっています。
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トランプ大統領、USスチール買収計画はもやもや(5/30)
アメリカのトランプ大統領は30日、ペンシルベニア州のUSスチール工場の演説で、日本製鉄によるUSスチールの買収について、「われわれは素晴らしいパートナーを得ることになる」と前向きな発言をしました。
一方で「最も重要なことはUSスチールがアメリカにコントロールされ続けることだ」と述べ、記者団に対して現時点では計画を承認していないことを明らかにしました。この発言により、6月5日に予定される最終判断を控え、買収計画の行方に改めて注目が集まっています。
2023年12月に日本製鉄がUSスチールを約149億ドルで買収することで合意したものの、鉄鋼産業はアメリカのインフラを支え、さらに多くの労働者を抱える重要な産業です。その大手企業であるUSスチールが日本企業に買収される懸念は大きく、25年1月に当時のバイデン大統領が国家安全保障上の懸念を理由に承認を見送っており、買収の許可は未だ下りていません。
また、トランプ大統領はこの日、鉄鋼とアルミニウムの輸入関税を25％から50％に引き上げる方針を発表しました。
日本製鉄も含め、日本は鉄鋼を多く輸出しており、それらの産業を中心に大きな影響が出ると考えられます。
重要度★★☆☆☆
「民主党」の略称をめぐる混乱、再び(5/7)
総務省は7日、立憲民主党と国民民主党の両党が、夏の参院選比例代表で使用する略称として「民主党」を届け出たことを公表しました。
公職選挙法では複数の政党が同じ略称を使用することを禁止していません。
投票用紙に「民主党」と記入された票は、両党の得票割合に応じて按分される仕組みになっています。
2021年の衆議院選挙でも今回と同じように、立憲民主党と国民民主党がともに「民主党」という略称を使い、このときも「民主党」と書かれた票は、得票率に応じて按分されました。
実際には、「民主党」と書かれた票は全国で362万票を超え、そのうち約295万票が立憲民主党に、約66万票が国民民主党に割り振られました。
大きな混乱とはなりませんでしたが、「行き先がよく分からない」という声もあり、また同じ状況が巻き起こりそうです。
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重要度★☆☆☆☆
嵐、活動終了を発表(5/6)
2020年末を最後に、活動を休止していたアイドルグループ「嵐」が来春ごろにメンバー5人で開催するコンサートツアーを持って活動を終了すると発表しました。
26年5月で活動終了となるとのことです。
5人はファンクラブ向けサイトに投稿された動画に登場し、「もう一度嵐としてのコンサートを行い、コロナによってかなえられなかった、ファンの皆さんに”直接感謝を伝える””直接パフォーマンスを見てもらう”ことをもって、5人での活動を終了する」としています。
嵐は1999年にデビューし、長年にわたって音楽・テレビ・イベントなど幅広い分野で活躍。ジャニーズ事務所の象徴的存在でもありました。
20年末の活動休止から続報がない状況でしたが、この発表により多くのファンにとって大きな節目となり、SNSでも大きな反響を呼びました。
航空自衛隊機が愛知・入鹿池に墜落(5/14)
14日午前、航空自衛隊の練習機が愛知県の小牧基地から約13キロ北東にある犬山市の入鹿池に墜落し、搭乗していた2名が死亡しました。
現場付近には住宅や小学校、博物館の「明治村」があり、地域への影響も大きく報道されました。
事故機は1989年製で、操縦室の音声などを記録するフライトレコーダーは未搭載でした。航空自衛隊は事故原因を調査中ですが、このことが原因究明を難しくしていると指摘されています。空自は同型の練習機を197機保有しているが、そのうち約60機はレコーダーが搭載されていないといいます。
自衛隊機の墜落事故は過去にも複数回発生しており、安全対策の見直しが急がれます。
今月のまとめ
今月は年金制度の改革や、米の高騰に対する対応、トランプ大統領の動向など、小さくない政治の動きが続きました。
6月には年金法案の成立や、USスチール買収に対するトランプ大統領の最終判断など、今月動き出したニュースがどう決着するのかが注目されます。
また備蓄米も本格的に流通して、今後物価はどうなっていくのでしょうか。
ニュースって日々流れていっちゃうからきちんと追っていくのも意外と難しいもの。
月に1回くらいは振り返る時間があってもいいよね。
5月もおつかれさまでした！
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