最近よく耳にする「トランプ」「関税」という言葉。
ニュースやSNSでは毎日のように流れてくるけど、正直、「それって自分に関係あるの?」って思ってる人も多いはず。
なんとなく物価が上がってる気はするし、「トランプのせい」って言ってる人もいるけど、具体的に何がどう関係してるのかは、いまいちピンとこない。
——この記事では、その“モヤモヤ”を少しずつ整理して、あなたの生活とどうつながっているのか、やさしく解説していきます。
そもそも今、なにが起きてるの?
一言で言えば「トランプ大統領が関税を強化した」なんだけど、これじゃ当然何がなんやら分からないから順に説明していきます。
トランプがまた大統領になったよ
2025年1月、トランプがふたたびアメリカの大統領になった。
そして就任してすぐ、「海外からのモノには、もっとお金かけさせるぞ!」って言い出したんだよね。読売新聞(2025/1/10)
この「海外からのモノにお金をかける」ものが「関税」。
つまり、輸入品に「関税」っていう“お金の壁”をドーンと作ったってこと。
ちょっと補足📝:「関税」ってそもそもなに?
関税っていうのは、海外から入ってくるモノにかける“入場料”みたいなお金のこと。
たとえば、日本からアメリカに車を送るとき、アメリカが「じゃあこの車売るために、うちに10%のお金払ってね」ってなる——それが関税。
で、この仕組み、実はどこの国でもふつうにやってる。
たとえば日本も、お米とか牛肉とかにはめちゃくちゃ高い関税かけてる。
(お米はなんと700%とかある…!)
なんでそんな関税かけるかって理由は主に3つ。
① 政府の収入にするため
関税もれっきとした「税金」なので、国の財源になる。
特に発展途上国では国内で集める税金が少ない分、関税が大事な収入源になっていることも多い。
② 自分の国の産業を守るため
たとえば、日本で作ったお米と、海外から来ためちゃくちゃ安いお米が並んだら、当然みんな安い方を買うよね。
でもそれだと、日本のお米が売れなくなる → 農家さんが困る → 自給率も下がる。
そうならないように、海外のお米には高い関税(入場料)をかけて、同じ土俵にするんだ。
これは「国内の産業を守るための壁」って感じ。
③ 外国と“交渉するためのカード”として
関税って、ただ海外のモノに“お金の壁”をつくるだけじゃなくて、国と国が交渉するときの「取引材料(カード)」にもなるんだ。
たとえば、日本がアメリカと話し合うとき、こんな感じのやり取りがあるとする:
「アメリカでもっと日本車が売れるようにちょっと日本車への関税下げてよ。もし下げてくれるなら、うちもアメリカの牛肉の関税ちょっと下げるよ」
みたいな。
自分の国の産業を守りたいのはもちろんなんだけど、一方で自分の国のものは他の国でもたくさん売ってもうけたい。そのためには相手の国に関税を下げてもらう交渉が必要になる。
関税って、そういう交渉を進めるための「手札」にもなってて、あるからこそ“引いたり出したり”して譲り合える。
最初から関税ゼロだと、交渉に出せるカードがないんだよね。
つまり、関税そのものは別に“悪いモノ”じゃなくて、「うちの産業を守りたい」「外から入りすぎると困る」っていう国の事情でかける“防御システム”みたいなものなんだよね。
実際、日本だってアメリカだって中国だって、お互いに「ちょっと高すぎない?」って思いながらも、関税でバランスとってる。
で、問題なのは——
その“壁”をトランプが一気に高くしすぎたこと。
しかも「お前の国が高い関税かけてるから、うちもかけるわ」って、世界中に“仕返しの壁”を作りまくった。そのせいで、貿易の流れがガタガタになりかけてる。
それが今「ヤバい」って言われてる理由なんだ。
どれくらいヤバい関税なの?
トランプがやったのは、こんな2つの爆弾関税💣
💥その①:全世界に一律+10%
アメリカに入ってくる海外のモノ、ぜ〜んぶに10%の追加料金。
日本の車も、フランスのワインも、イタリアのチーズも、どこの国のどんなモノでも関係なく、とにかく全部に「入場料」!
普通、関税って高くても2~3%が平均で、日本も工業製品にはほぼ0~1%しかかけていない(例外的に農産品で米が700%超とかはあるけど、あくまで“守るべき産業”に限られてる)。
そんな中で、「全部の国に一律10%上乗せ」ってのは、経済界でもほぼ前例がないレベルの異例なやり方。
海外からの商品全部10%値上がりって考えるとやばさが多少伝わると思う。
💥その②:国別の“仕返し関税”
さらに、「お前の国がアメリカにかけてる分、同じくらい返すわ」っていう“仕返し制度”も追加。
例えば:
・🇯🇵日本には+24%(コメとかに700%関税かけてるだろって言われた)
・🇨🇳中国には+34%
・🇪🇺EUには+20%
えげつな……ってなるレベル。当然、世界は「おいおい待ってくれ」ってなる。あまりに急すぎて、世界中の国が大混乱。日本もEUも、「うちも関税対象なの?聞いてないんだけど…」ってザワついて、中国は「上等だよ」って感じで、アメリカのモノに同じように報復関税をぶつけてきた。
いわゆる“貿易戦争”、また始まっちゃった感じ。
さすがに株も落ちるし、企業も騒ぐしで、トランプもちょっと焦ったのか、「じゃあ中国以外は、90日だけ関税保留してやるわ」と一部を“いったん保留”になった。日経新聞(2025/4/10)
でもそれってあくまで“交渉の時間稼ぎ”。このまま話がまとまらなかったら、またドーンと関税をかけるつもりらしい。
つまり今どうなってるの?
- トランプが関税バク上げ → 世界中がビビる
- 特に中国とはガチの関税バトルに
- 日本やEUは「ちょっと話そう」って90日の猶予をもらったところ
- でもいつ爆発してもおかしくない
今、世界の経済と貿易の空気がピリッピリに張り詰めてる、そんな状況なんです。
なぜトランプはまた関税を上げたのか?
一言で言うと、「アメリカが損してるのはおかしい!」を取り返したいから。
🧠 トランプの頭の中:アメリカは“いいカモ”だった?
トランプはずっとこう思ってる👇
「アメリカは今まで他の国に甘すぎた。関税も低いし、ルールもゆるすぎる。だからどんどんモノを買わされて、“貿易赤字”が積み上がった。これはもう、搾取されてるレベルだ!」
で、それを“取り返す”ために出てきたのが今回の関税爆弾。
「損してるなら、取り返す。それがアメリカ第一主義だ!」ってこと。
📉 実際、アメリカの「貿易赤字」は大きい
アメリカは昔から輸入の方が多くて、たとえば日本とは「日本の車をいっぱい輸入してるけど、アメリカの商品はあんまり買ってくれない」って状態。
これがいわゆる“貿易赤字”。 2024年は、1年間で185兆円以上の赤字。読売新聞(2025/2/6)
特に中国、メキシコ、日本あたりとは赤字が続いてて、トランプは「こんなのもうやってらんねえ!」ってなったわけ。
🧱 じゃあ関税でどうするの?
・相手のモノを入りづらくする(=高くして買わせない)
・アメリカ製を選んでもらう(=国内産業にお金が回る)
・関税を“交渉の圧力”にして、有利な取引を引き出す
つまり、「国内産業の保護」+「対外交渉の材料」+「不公平ルールの是正」。
この全部を狙ってるのが今回の関税政策。
なぜ“今”このタイミングで?
トランプは大統領に再登場(2025年1月)。トランプの支持層は製造業などのいわゆるブルーカラーの人たちが多くて、彼らに“アメリカに仕事を取り戻した”と見せることが選挙戦略上めちゃくちゃ重要だったんだよね。だからその時からトランプは関税の強化を経済政策の目玉として堂々と語っていた。
それで実際に当選して、「公約をすぐ実行した」って実績を積むことで、支持層(特に製造業とか保守層)にアピールしたかった。
つまり、「俺はやるって言ったことをちゃんとやる男だ」ってのを見せたかったんだね。
📝まとめると:
トランプは「アメリカが損してる」「他国が得してる」という不満から、“うちに不利なら、強制的にルール変える”って動きに出た。それが関税だった、ということ。
そして、それが私たちの生活にどう響く?
「トランプが関税を上げたらしいよ」「なんか物価とか株価に影響あるらしい」
そう聞いて、「へぇ~」くらいで終わらせてる人も多いかもしれません。
でも問題なのは、それがただのニュースじゃなくて、“実際に、私たちの生活に直結する話”だということ。
📈 なぜ“アメリカの関税”が、日本の物価にまで影響するの?
関税って「アメリカが海外からモノを買うときにかけるお金」の話なので、一見「日本が輸入する分には関係ないじゃん」と思いがちです。
でも、いまの時代、モノっていろんな国を通って、ぐるぐる回って、ようやく完成してるんですよね。
たとえばスマホひとつとっても、
- チップは中国で作られて
- 組み立てはメキシコ
- パッケージはアメリカ企業が管理して
- 最終的に日本のメーカーが仕入れて販売する
みたいな感じで、1つの商品が複数の国を経由して届いている。
だから、アメリカが「海外から来るモノすべてに+10%の関税!」ってやると、その途中で発生する“通行料”みたいな負担が、商品全体のコストを押し上げることになる。
要するに、「アメリカを通った時点で高くなったモノ」が、日本に届くころにはもう値上げされた状態になってるってことなんです。
さらにやっかいなのは、完成品だけじゃなくて、原材料や部品そのものの価格も上がってしまうこと。
たとえば:
- アメリカがたくさん仕入れていた鉄や大豆に関税がかかって取引が止まると、
- その分を「じゃあうちが買う!」と他の国が奪い合いはじめて、
- 国際価格が一気に上がる → 日本も高い価格で仕入れるしかなくなる
💡 だから、日本でこうなる
・パンやうどんの原料になる小麦
・コンビニ弁当の揚げ物に使われる食用油
・スマホや家電に入ってるチップや電池
こういった日常的に使っているモノの“材料”そのものが高くなっていく。
しかも一気にドカンじゃなくて、「気づいたらまた2円、5円、10円高くなってる…」という、静かだけど確実なインフレにつながる。
ただでさえすでにインフレ気味の日本でまさに追撃パンチ。
「アメリカが関税を上げた」っていう一見遠い話が、
じつはいろんな国を回って、回って、最後に“私たちの財布”まで届くってことなんです。
🏢 給料・雇用にも影響してくる
もう一つ見逃せないのが、企業側の打撃。
たとえば日本の企業——自動車メーカーや部品メーカー、電機系の会社などは、アメリカ市場にすごく依存してる。
そこにドンと関税がかかると、商品の値段が上がって売れにくくなる。
するとどうなるか?
「今年は昇給ナシで…」
「新卒採用は様子見で…」
「一部事業、縮小しようか」
みたいに、私たちの給料や雇用の場にも“冷たい風”が吹き始める。
「自分の職場には関係ない」と思っていても、そういう“なんとなくの停滞感”って、じわじわ社会全体に広がっていくんです。
📉 投資にも影響:資産が不安定に
投資をしている人にとっては、今回の関税強化はかなりダイレクトに“ダメージ”として届いています。
2025年1月下旬にトランプが「関税一律+10%」を正式発表、4月に「相互関税」を発表し、アメリカの株式市場は一気に冷え込みました。
- S&P500は 2週間で約8.4%下落Bloomberg(2025/4/2)
- NASDAQも 約9.7%下落マネクリ(2025/4/7)
- 時価総額で見ると、**およそ6兆ドル(約900兆円)**が吹き飛んだと試算されていますReuters(2025/4/11)
なぜこんなに下がるの?
関税が上がると、企業のコストが増えます。
特にアメリカの大企業は、部品や原材料を海外から調達してるので、それらに関税がかかると利益が削られる→株主にとっての“期待値”が下がるという構図。
しかも、相手国(中国・EU・日本など)も“報復関税”をしてくる可能性があるので、企業活動そのものが不安定になる。
結果として、「これはちょっとヤバそうだ」と投資家が一斉に売り始め、短期間で株価がドカンと落ちたというわけです。
特に打撃を受けたのはどの分野?
- 半導体メーカー(NVIDIA、AMDなど):チップの供給先が分断されるリスク
- 自動車産業(トヨタ、GM、テスラなど):海外販売に影響
- 貿易依存度が高いIT系(Apple、Amazonなど):物流コスト増・中国との関係悪化
このあたりの銘柄を中心に、大きな売りが集中しました。
投資初心者のリアルな声
「NISAを始めたばかりで10万円の含み損…」「やっぱり投資って怖い」
SNSでも、混乱と不安の声が広がっています。
長期投資が前提とはいえ、始めたばかりの時期に急落がくると、「続けていいのかな」「やっぱりやめようかな」と不安になる気持ちはよくわかります。特に若い世代や投資初心者ほど、こういった下落のメンタルダメージを受けやすい。
📌 だからこそ、「なぜ下がったのか」を知っておく
株価の上下にはいろんな理由があるけど、今回のように“政治と関税”がきっかけになっている場合、それを正しく理解しておくことで、
- 不安を過剰に膨らませずにすむ
- 投資を続けるか見直すか、冷静に判断できる
今回の関税強化は、単なる数字の話じゃなくて、“将来への安心感”を揺さぶるような出来事だったとも言えます。
💸 補助金?給付金?そのツケは結局“税金”で戻ってくる
これらを踏まえて今後、政府が「物価対策」として何かしら支援策を打つ可能性もあります。
けどそのお金って、どこから来るのかというと——
✅ 今払ってる税金
✅ または「国の借金(=将来の税金)」
つまり、「今ラクになった」の裏には、“将来の増税”というリスクがついてくる。
そして、気づかないうちに生活はこう変わるかもしれない
- 買い物がなんとなく高くなってる
- 昇給が見送りに
- 投資も不安定で、将来の計画が立てにくい
- 「節約しなきゃ」「今は控えとこう」って空気が社会に広がる
つまり——
これはただの“アメリカの関税ニュース”じゃない。
「何ヶ月後かに、自分の財布に響いてくる話」なんです。
ニュースを知るだけで、すぐに何かが変わるわけじゃないかもしれない。
でも、知っておくことで——
無意識の「なんでこんなにお金が減ってるんだろう?」に、ちゃんと理由が見えてくる。
それが、不安を減らす一歩になると思うんです。
「ジブンゴト+」でもっと深く
株価が「上がった」「下がった」と言われても、結局どう受け止めればいいのか──そこが一番の悩みかもしれません。
そんな今こそ、“揺れる相場”で、どう判断軸を持つか?
そのヒントを、「ジブンゴト+」で掘り下げました。

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